動物看護師になりたいけど、
未経験だときついの?
このように悩んでいませんか?
動物看護師の仕事に興味があっても、「未経験で大丈夫か」「どんな仕事内容なのか」「続けられるか」など、不安は尽きないはずです。
はじめまして。転職サポーターのゆうきです。
フリーターから就職した経験や転職経験、人事目線を活かして働き方や転職に関する記事を執筆しています。
この記事では、動物看護師が未経験にはきつい理由とメリット・デメリットをまとめました。
確かに動物看護師の仕事は、きついことが多く、未経験者にとって厳しい面のある仕事です。低い給料や高い離職率、閉鎖的な人間関係など、デメリットがあるのも事実です。
しかし、動物看護師にしか味わうことができない「やりがい」「達成感」「感動」があるのは大きなメリットと言えます。
他にも、「動物看護師に向いている人の特徴」「愛玩動物看護師の将来性」などにも触れていきます。
未経験で動物看護師を目指すときに知っておくべきポイントをわかりやすくお伝えしていきます。
- 未経験の動物看護師がきつい理由
- 職場での人間関係やいじめの実態
- 向いてる人や向いていない人の特徴
- 愛玩動物看護師の将来性やメリットデメリット
【未経験は辛い?】動物看護師の仕事がきついと言われる理由
- 給料が低い
- 過酷な労働環境
- 人間関係がつらい
- 怪我をしてしまうリスク
- 動物に関わらない雑務も多い
- すべての動物を助けることはできない
給料が低い
未経験で動物看護師の仕事をするのがきつい理由のひとつは、給料の低さです。
このあと詳しく解説しますが、動物看護師の給料は、他の職業と比べて低いのが現実です。勤務地や職場によって左右しますが、一人暮らしが難しい場合も多いです。
動物看護師の給料が低い理由の一つは、以前は無資格でも働けたので、専門性が低いと見なされていたことが挙げられます。
令和4年5月に「愛玩動物看護師」という国家資格が誕生しましたが、まだ給料に大きな影響を与えているとは言えません。
過酷な労働環境
未経験で動物看護師の仕事がきついのは、労働環境が過酷なことも理由のひとつです。
動物病院では、動物を扱うために多くの体力を必要とします。例えば、暴れる犬や猫を押さえたり、重い動物を持ち上げたりすることが日常的にあります。
また、動物病院の勤務時間は長く、基本的に立ち仕事が多いため、座っていられる時間はほとんどありません。
休憩時間が十分に取れないこともあり、土日祝日勤務もあるため、他の職業と比べて休みが少ないのも現実です。
さらに、動物病院のスタッフが少人数の場合は、一人ひとりにかかる負担がさらに大きクなってしまいます。
人間関係がつらい
未経験の動物看護師がきつい理由は、人間関係が閉鎖的であることも挙げられます。
動物病院は、一般的にスタッフの人数が少なく、限られたメンバーで仕事をすることが多いです。そのため、一度人間関係が悪化すると、ストレスが溜まりやすくなります。
実際、動物看護師の転職理由として最も多いのは「職場の人間関係」と言われています。
とくに、上司や同僚とトラブルを起こしてしまうと、仕事を続けるのが難しくなり、結果として退職を選ぶケースも多いようです。
怪我をしてしまうリスク
未経験の動物看護師がきつい理由のひとつは、常に怪我のリスクがあることです。
動物病院に来る動物たちは、慣れない環境に戸惑い、攻撃的になることがあります。そのため、動物を保定する際に引っかかれたり、噛まれたりすることが日常茶飯事です。
例えば、診療中に興奮した犬や猫を押さえようとして、引っかき傷や噛み傷を負うことがあります。これらの怪我は表面上の傷だけでなく、感染症のリスクも伴います。
さらに、動物看護師は手術の補助やケアを行う際に、重い動物を持ち上げることもあります。これにより、腰痛や筋肉痛などの身体的な負担も大きくなります。
特に大型犬の保定や移動は、体力を要する作業です。
動物に関わらない雑務も多い
動物看護師の仕事は、必ずしも動物と関わる業務ばかりではありません。動物病院では、様々な雑務をこなさなければならないことも多く、きついと感じる人もいます。
例えば、受付業務として、動物病院に訪れる飼い主さんの対応や電話応対、予約の管理などをする場合があります。
また、診察や治療が終わった後の支払い手続きや、薬の説明などをこなさなくてはいけない職場もあります。
他にも、
- 病院内の掃除
- 在庫管理
- 待合室や診察室の清掃
- 犬舎・猫舎の清掃
- 医療用品や薬品の在庫チェック
など雑務も多く、動物が好きで動物看護師を選んだ人にとっては、モチベーションが下がる要因になることがあります。
すべての動物を助けることはできない
動物看護師として働く上で最もきつい瞬間は、すべての動物を助けられない現実です。
動物病院にやってくる動物たちは、さまざまな病気や怪我を抱えています。その中には、治療を施しても回復が難しいケースもあります。
また、治療の選択権は最終的に飼い主にあるため、経済的な理由や家庭の事情で最善の治療を受けさせることができない場合もあります。
動物看護師は飼い主の意向に従うしかなく、無力感を感じることも多いです。
そして、動物の苦しむ姿を目の当たりにすることも、精神的な負担となります。治療の甲斐なく命を落とす動物を見るたびに、心を痛める動物看護師も多いと言われています。
【きついだけじゃない】未経験で動物看護師を目指すなら知るべき事
- 【給料】動物看護師は年収が低いから生活できない?
- 【辞める人が多い】動物看護師の離職率が高い理由
- 「性格が悪い」といわれるのはなぜ?
- 「いじめ」の実態とは
- 動物看護師は人手不足?
- 【適正】動物看護師に向いてる人の特徴
- 【不向き】動物看護師に向いていない人の特徴
- 【メリット】動物看護師の仕事の楽しいこと
- 【社会問題】国家資格がないと動物看護師は名乗れない?
- 動物看護師(愛玩動物看護師)にしかできないこと
- 【将来性】愛玩動物看護師のキャリアは明るい?
【給料】動物看護師は年収が低いから生活できない?
動物看護師は給料が低いから生活できないって聞いたんだけど…
先にお伝えしたように、たしかに動物看護師の給料は日本の平均年収と比べて低い水準です。全国の平均年収は322万円となっていて、月給換算すると27万円ほどです。
初任給は23万円程度が相場で、アルバイトやパートの平均時給は1,093円、派遣社員の平均時給は1,273円となっています。(引用データ:求人ボックスより)
地域によっては、年収200万円未満というケースもあり、この場合は生活にゆとりを持つのは難しいと言えます。
ただし、近年「愛玩動物看護師」の国家資格が設けられたため、今後は給料に反映される可能性はあります。しかし、現状の年収は「低め」という現実を頭に入れておくべきです。
【辞める人が多い】動物看護師の離職率が高い理由
動物看護師は離職率が高いって本当?
動物看護師は、離職率が非常に高い職種と言われています。動物病院によっては、1年以内に辞める動物看護師は9割を超える場合もあります。
その理由として最も多いのは、「職場の人間関係」です。
お伝えしたように、一般的に動物病院はスタッフの人数が少なく、閉鎖的な環境になりがちです。そのため、人間関係がこじれると辞める以外の選択肢が無くなるケースが多いと言われています。
また、給料や待遇が悪いことも離職理由として挙げられます。
給料が低いわりに仕事は過酷なケースが多く、人によっては「生活が維持できない」「将来が不安」といった理由で離職することもあります。
他には、動物が苦しむ姿を見るのが耐えられずに動物看護師を辞める人もいます。
「性格が悪い」といわれるのはなぜ?
動物看護師は性格が悪いって噂は本当?
ネットなどで「動物看護師は性格が悪い」という書き込みが見られます。
これに関しては、仕事の性質や職場環境が影響している場合が多いと考えられます。
先ほどお話したように、動物看護師の仕事は身体的にも精神的にも非常にハードです。
そんな過酷な労働環境がストレスやイライラにつながり、言葉遣いや態度がきつくなる人がいるのかもしれません。
また、動物看護師は女性が多いため、競争や嫉妬が生じやすい職場と言えます。女性スタッフ同士のトラブルも起きやすく、性格がきついと感じられる場合もあります。
他にも、動物看護師はミスが許されない緊張感の中で仕事をしています。
動物の命を預かる責任の重さから、新人や後輩に対して厳しく指導することもあり、それが「性格が悪い」と噂になるのかもしれません。
「いじめ」の実態とは
動物看護師って
いじめが多いの?
動物看護師の職場は、「いじめ」が起きやすい環境と言われています。
一般的に動物病院は比較的小規模な職場が多く、従業員同士の距離が近いため、人間関係が密になります。
このような環境では、個々の性格や働き方の違いがストレスになりやすく、いじめが発生しやすくなるのです。
具体的ないじめの内容としては、
- 言葉の暴力
- 無視
- 過度な業務の押し付け
などがあります。例えば、新人や未経験者に対して、満足な指導をしないまま過剰な要求をしたり、失敗を厳しく責め立てる、などのケースです。
他にも、あるスタッフを意図的に孤立させる、などもいじめの一種です。
また、性別による格差も問題になっています。力仕事はすべて男性に任せたり、女性には清掃や雑務ばかりを押し付けるといったこともあります。
動物看護師は人手不足?
動物看護師は人が足りないって本当?
多くの病院や施設では、動物看護師の人手不足に悩まされています。
ある調査によれば、獣医師の6割が「獣医療業界は人材不足だと感じている」と回答しているくらいです。(引用データ:PRTIMESより)
その理由は、
- 過酷な労働環境
- 給与の低さ
- 離職率の高さ
などが挙げられます。
人手不足の影響で、育児休暇が取りづらくなったり長時間労働が増えるなど、悪循環に陥っている動物病院も多いと言われています。
しかし、裏を返すと、これから動物看護師を目指す人にとってはチャンスでもあります。
人手不足ということは「求人が多い」「採用してもらいやすい」「様々な仕事を任せてもらえる」など、プラスの側面もあるからです。
【適正】動物看護師に向いてる人の特徴
動物看護師はどんな人が向いてるの?
動物看護師は、動物が好きなだけではなく、さまざまなスキルや特性が求められる職業です。ここでは、動物看護師に向いている人の特徴を紹介します。
動物が大好き
適正として第一に挙げられるのは、動物が大好きなことです。
動物看護師は、日々さまざまな動物と接する仕事のため、犬や猫だけでなく、他の動物にも抵抗がないことが重要です。
動物が好きで、どんな動物にも愛情を持って接することができる人が向いています。
命と真剣に向かい合える
動物看護師の仕事は、動物の治療やケアを行うため、動物が苦しむ姿や命を落とす場面に直面することもあります。そのため、精神的な強さが求められます。
悲しい出来事を乗り越え、動物の命を守るために最善を尽くせる人が適しています。
コミュニケーション能力が高い人
動物は言葉を話せないため、飼い主とのコミュニケーションが重要です。
飼い主からの情報収集や説明を的確に行い、不安を感じている飼い主に寄り添うことが求められます。同僚や獣医師とも円滑にコミュニケーションを取れることが大切です。
観察力や洞察力がある人
動物は自分の体調を言葉で伝えることができません。そのため、わずかな変化を見逃さない観察力が必要です。
動物の様子を注意深く観察し、異常を早期に発見できる能力が求められます。
体力に自信がある人
動物看護師の仕事は、体力を使うことが多いです。重い動物を持ち上げたり、暴れる動物を押さえたりする場面が日常的にあります。
立ち仕事が多く、長時間の勤務もあるため、体力がある人が向いています。
【不向き】動物看護師に向いていない人の特徴
動物看護師の仕事には、向き不向きがあります。ここでは、動物看護師に向いていない人の特徴をお伝えします。
動物アレルギーをもっている
動物看護師は動物に常に触れる仕事のため、アレルギー症状が頻繁に出ると業務に支障をきたします。
アレルギーが軽度でも症状悪化のリスクがあるため、働く場合は慎重な判断が必要です。
一人で黙々と作業したい
動物看護師の仕事はチームで行うことが多く、獣医師や他のスタッフとのコミュニケーションが欠かせません。
協力し合いながら働くことが求められるため、人との交流が苦手な人にはストレスになる可能性があります。
マニュアル通りに動くことを好む人
動物看護師の業務は幅広く、さまざまな状況に対応しなければなりません。予期せぬ事態が発生することも多く、柔軟な対応が求められます。
マニュアルに頼りすぎると、臨機応変な対応ができずに困ることがあるでしょう。
学習意欲がない人
動物医療は常に進化しており、新しい治療法や医療機器が次々と導入されます。そのため、最新の知識を積極的に学び続ける姿勢が必要です。
学ぶことに興味が持てない人は、仕事についていくのが難しいかもしれません。
動物の命と向き合う覚悟がない人
動物看護師は、動物の命を預かる責任重大な職業です。動物の死に直面することも少なくなく、そのたびに精神的な強さが求められます。
この現実に耐えられない場合、長続きしない可能性があります。
【メリット】動物看護師の仕事の楽しいこと
動物看護師になるメリットって何?楽しいことはある?
ここまで動物看護師の大変な面ばかりお話しましたが、この仕事には楽しいことやメリットもたくさんあります。
動物看護師として働く「やりがい」「充実感」について見ていきましょう。
動物と毎日触れ合える
動物看護師のメリットは、毎日さまざまな動物と接することができることです。動物が好きな人にとっては、それが大きな喜びや充実感につながります。
動物たちが健康を取り戻していく姿を間近で見られるのは、とても感動的な体験です。
動物の命を救うやりがい
また、動物の命を救うことのやりがいもあります。病気や怪我をした動物が元気になっていく姿を見るのは、何よりのやりがいです。
動物看護師は、獣医師と共に治療にあたることで、動物たちの命を守る重要な役割を果たします。この責任感と達成感は、他の職業では得られないものです。
飼い主との信頼関係を築ける
飼い主との信頼関係を築くことができるのも大きなメリットです。
動物看護師は、飼い主に対して治療方針やケアの方法を説明する役割も担っています。飼い主から感謝の言葉をもらうことや、信頼を得ることは大きな励みになります。
飼い主の不安を取り除き、ペットと共に幸せな生活を送る手助けができるのは、とてもやりがいのある仕事です。
動物医療の知識やスキルが身につく
動物医療の知識やスキルを身につけることができるのも魅力です。
動物看護師として働く中で、さまざまな症例に対応することで専門的な知識が身につきます。これらのスキルは、キャリアの発展や他の関連分野への転職にも役立ちます。
【社会問題】国家資格がないと動物看護師は名乗れない?
2022年5月に「愛玩動物看護師法」という法律が施行されました。これにより、「愛玩動物看護師」という国家資格が新設されました。
そして、この資格を持つ人だけが「愛玩動物看護師」と名乗ること(それに類似する名称の使用)が認められました。
そのため、民間資格や無資格で動物の看護師として働いている人は、「動物看護師」と名乗ることはできません。
法律では、「愛玩動物看護師」や「動物看護師などの紛らわしい名称」を使用することが禁止されているからです。
国家資格「愛玩動物看護師」を取得する必要性
この法律によって、動物看護師として働き続けるためには、国家資格の「愛玩動物看護師」を取得する必要があります。
資格取得には時間と費用がかかりますが、これにより動物看護師の専門性と地位が向上することが期待されています。
国家資格を持つことで、給与や待遇の改善、職業の安定性が増し、より良い労働環境が整う可能性があります。
動物看護師(愛玩動物看護師)にしかできないこと
では、愛玩動物看護師の資格がないと出来ない業務は、どんなものなのでしょうか。
それは、「診療の補助」です。
診療の補助とは、法第2条第2項において、診療の一環として行われる衛生上の危害を生じるおそれが少ないと認められる行為であって、獣医師の指示の下に行われるものと規定されており、例えば輸液剤の注射、採血、マイクロチップの装着、カテーテル留置、投薬等が含まれます。
具体的には、獣医師の指示のもとで行われる
- 採血
- 投薬
- カテーテルの挿入
- マイクロチップの装着
などです。これらの行為は、動物の健康状態を正確に把握するために欠かせないものであり、動物看護師の専門性が発揮される場面です。
動物看護師はその他にも様々な業務こなしますが、国家資格「愛玩動物看護師」を取得することで、動物医療の現場で大きな貢献ができます。
【将来性】愛玩動物看護師のキャリアは明るい?
愛玩動物看護師の将来性はどうなの?
愛玩動物看護師の将来性については、明るいと言えます。ペットを飼う人の増加が進む中で、専門的なケアができる愛玩動物看護師の需要は高まると予想できるからです。
動物医療では、ペットの健康管理や治療法が進化し、より高度な医療サービスが求められるようになっています。
これに伴い、専門知識と技術を持つ愛玩動物看護師が必要とされる場面は増えています。
例えば、ペットの予防医療や慢性疾患の管理など、飼い主のサポートも含めた幅広い役割が期待されています。
また、ペット関連のビジネスは非常に成長しています。例えば、
- ペット保険
- ペットフード
- トリミングサービス
- ペット介護やリハビリ
など、様々なビジネスが普及しているため、仮に将来キャリアチェンジする場合、動物看護師の経験を活かせるチャンスが増えています。
まとめ:動物看護師が未経験にはきつい理由とは!?|メリットやデメリットも解説
いかがでしたでしょうか。最後に記事をまとめますね。
- 給料が低く、一人暮らしが難しい場合がある
- 無資格でも働けた過去が専門性の低さにつながる
- 労働環境が過酷で体力を要する
- 長時間の立ち仕事が多い
- 土日祝日も勤務がある
- スタッフが少人数のため負担が大きい
- 人間関係が閉鎖的でストレスが溜まりやすい
- 怪我のリスクが高く、感染症の危険もある
- 動物に関わらない雑務が多い
- すべての動物を助けられない無力感がある
- 給料が低いため生活が厳しい
- 離職率が非常に高い
- 「性格が悪い」と言われることがある
- いじめが発生しやすい職場環境である
- 人手不足が深刻である